2011年07月09日

全国学力テスト、きめ細かく調査へ 小6・中3全員参加、25年度復活

産経新聞 7月9日(土)7時59分配信

 小学6年と中学3年を対象に毎年4月に実施している「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)について、文部科学省は8日、平成25年度に全員参加方式の復活を含む「きめ細かな調査」を実施すると発表した。また、24年度については22年度と同じ3割を抽出したうえで、実施科目を現行の「国語」「算数・数学」の2科目に加え、「理科」を導入することも決めた。

                   ◇

 全国学力テストは19年度に全員参加方式で開始。しかし、民主党政権が日本教職員組合(日教組)側の「過度の競争を招く」という論理を取り入れ、22年度から抽出方式に変更された経緯がある。具体的には、21年10月に当時の川端達夫文科相らが4割の抽出に変える方針を示し、さらに行政刷新会議の事業仕分けで3割の抽出にまで縮小が決まった。

 これに対し、教育界からは「子供たち一人一人の学力把握には全員参加にすべきだ」といった批判の声が根強くあった。文科省が22年度の抽出方式のテスト実施後、47都道府県の各教育委員会に行ったアンケートでは7割以上の34教委が「全員参加」を希望した。

 こうした中、文科省内に設置された専門家会議は今年3月の報告書で「数年に1度は市町村、学校などの状況も把握することが可能なきめ細かい調査の実施の検討が必要」と結論付け、軌道修正を迫っていた。

 高木義明文科相は8日の会見で「国として教育格差などを把握、分析するため、数年に1度、きめ細かく調査する必要がある」と説明。24年度に理科を追加することについては「子供たちの学習に理科が少し不足している」とした。
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2011年06月15日

民主迷走で教員免許ピンチ 更新制度存続…受講キャンセル待ち

2011.6.15 15:03 産経ニュース

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教員免許があぶない?

 教員免許の更新に必要な講習に教員の応募が殺到し、キャンセル待ち状態などが続出している。衆院選で政権交代を果たした民主党が、一度は教員免許更新制度の廃止を打ち出したものの、その後の参院選で惨敗。「ねじれ国会」で制度廃止の法案が提出できず、いまも制度が存続しているためで、制度存廃をめぐる迷走劇の余波が教育現場を直撃した格好。“駆け込み”応募の急増で受講しにくい状態となっており、教員の間からは「受講できなければ教員を辞めないといけないのか」などと動揺が広がっている。

 教員免許更新制度は、自公政権下で平成21年度に始まり、教員免許に10年の有効期間が設けられた。文部科学省認定の大学などで必要な講習を受け、認定試験に合格しなければ教員免許は失効する。

 大阪府では、23、24年度に受講が必要な教員や講師は計約1万人。必修の「教育の最新事情」講習では、府内で23年度、13大学が計約4700人分の講習を用意しており、大阪教育大は最も多い3千人分を受け持っている。

 ところが、大教大が今月6日午後4時に専用サイトで受講受け付けを始めたところ、応募が殺到。翌日午前0時ごろまで、ほとんどサイトにつながらない状態が続いた。

 大教大によると、15日午前の時点でも、講習の定員の9割以上がキャンセル待ちの状態。特に、教員が受講しやすい夏季の講習に応募が集中しているという。

 大教大の担当者は「講習の数も十分に用意したが、他府県からの申し込みも多く予想を超えた部分もあった」と驚く。

 こうした駆け込み応募の背景には、平成21年に政権交代を果たした民主党が、翌22年の参院選惨敗で制度を廃止できず、廃止を見込んで22年度の受講を見送った教員たちが、今年度の講習に流れ込んでいる事情がある。

 通信講座で受講する手段もあるが、試験日程の調整が難しく、人気は低いという。

 キャンセル待ち状態などが続出している大阪府では、府教委が「秋以降の受講や他府県での受講も検討してほしい」と呼びかけているが、更新時期の迫った教員の間には焦りや動揺が広がっている。

 大阪府内の市立小学校の女性教諭(55)は「パソコンの前に未明まで座り続け、応募を試みたが、全くアクセスできない状態。やっとつながったと思ったら、キャンセル待ちの表示。受講できない同僚の間では『教師を続けられないのでは』『どうしよう』と不安が広がっている」と打ち明ける。



 【用語解説】教員免許更新制度
 教員に必要な最新の知識・技能の習得を目的に平成21年度に導入され、教員免許に10年の有効期間を設けた。文部科学省認定の大学などで、2年間で計30時間以上の講習を受け認定試験に合格しなければ、教員免許が失効する仕組み。文科省によると、23年度に受講期限を迎える教員は全国で約8万1千人。
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2011年06月13日

経団連、海外留学奨学金を創設 内向き志向に危機感

産経新聞 6月13日(月)16時17分配信

 経団連は13日、2012年度から「グローバル人材スカラーシップ」を創設すると発表した。将来、日本企業で国際事業に携わる意欲を持つ大学生に奨学金を支給し、帰国後の就職支援も行う。経団連傘下の国際文化教育交流財団を母体に経団連会員企業が資金協力し、交換留学制度のある政府指定の13大学から候補者を選んで選考する。初年度の奨学生は30人で、1人100万円を支給する計画。将来は各企業の連携でより多くの学生を海外に派遣したいとしている。

 近年、若年層に内向き志向が広がり、就職活動の早期化・長期化もあって海外留学を避ける学生が増えている。経団連が奨学金制度を創設するのは、このままでは世界で通用する人材が払底し、日本が国際競争に勝ち残れなくなるとの危機感があるからだ。
 奨学金創設と合わせ、経団連は大学と連携し、企業トップや実務者を大学に派遣してビジネスの実態を講義する「出前授業」や、企業内でのインターンシップを単位に認定する新カリキュラムを試験的に導入。政府には外国人留学生の受け入れ拡大を求めていく方針だ。
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灘中の伝説授業が復活 3年かけ「銀の匙」熟読 98歳の元教師

2011.6.13 11:57 産経ニュース

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「授業を楽しみにしている」と話す橋本武さん=神戸市東灘区(甘利慈撮影)

 明治・大正期の小説「銀の匙(さじ)」という話を中学3年間かけて読み込んだ国語の授業が今月18、25日に全国有数の進学校、私立・灘中学校(神戸市)で27年ぶりによみがえる。

 授業はかつての同校の国語教師、橋本武さん(98)が考案。教科書を一切使わず、「銀の匙」の文庫本1冊と手作りのプリントで展開、橋本さんは「伝説の教師」と呼ばれた。今回も題材は「銀の匙」。その日を心待ちにする橋本さんは「どんな授業になるか、ワクワクしている」と話していた。
頭と体で味わう…幸せ感じる授業

 東京高等師範学校を卒業後、昭和9年から50年間、灘中学・高校の教壇に立った。「銀の匙」の授業を始めたのは戦後まもなくの25年。黒塗りだらけの薄い教科書に「こんなものは使えない」と思った。それに自分が中学生のときにどんな授業を受けたのか印象に残っていなかったことにも教師として、むなしさを感じた。「生涯、心の糧となるような授業を」。その考えの先に師範学校時代に心酔した「銀の匙」があった。

 「銀の匙」は明治生まれの作家、中勘助が伯母の愛情に包まれて過ごした少年期をつづった自伝的小説で夏目漱石が絶賛したことで知られる。橋本さんは、教材として選んだ理由を「主人公が成長していく過程を生徒も自分に重ねることができるし、美しい日本語が魅力的だった」という。

 しかし、それだけでは授業は成り立たない。当時は毎回、ガリ版刷りの手作りプリントを配布。語句を生徒に一つ一つ調べさせ、作中の出来事や主人公の心情を生徒に追体験させた。

 たとえば「丑(うし)」という字が出てくると、十干十二支から丑三つ時、甲子園の由来にまで話題が広がる。主人公が口にした駄菓子を探し求め、生徒とともに食べた。「自分の頭と体を使って作品を味わってほしい」。その助けになるプリントは「横道にそれる仕掛け」で遊び感覚で学べるよう工夫が凝らされていた。

 橋本さんは59年に灘校を去った後も、94歳で源氏物語の現代語訳を完成させ、今もカルチャーセンターで講師を務めるなど精力的に活動を続ける。

 だが、やはり、「銀の匙」の授業は特別。「生まれ変わっても、『銀の匙』を教えたい」と願っていた。そこに特別授業の話が持ち上がった。社会で活躍する人々の話を聞く同校の「土曜講座」で「懐かしの教壇」に再び立つ。

 「生まれ変わらないと無理だと思っていたのに、願いがかなうんだから最高に幸せ。その幸せを生徒も感じられる授業にしたい」と意気込む。手作りのプリントは、やはり、生徒が自分で考え、書き込めるようになっており、伝説の授業のエッセンスがちりばめられている。「国語はすべての教科の基本。国語力のあるなしで他の教科の理解力も大きく違う。学ぶ力の背骨で生きる力といっていい。たった2回だが、国語の魅力や大切さを伝え、生徒たちが一生思い出せるような授業にしたい」と話す。

 灘校によると、受講者は2、3年生の計50人。希望者が多く、抽選になったという。
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2011年06月10日

2科目受験し解答時間を倍に…センター試験で“裏技”発覚

産経新聞 6月10日(金)0時35分配信

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センター試験に緊張する受験生たち=京都市左京区の京都大学(2011年01月15日撮影)(写真:産経新聞)

 来年1月14、15日に実施される大学入試センター試験で、受験生に科目選択の幅を拡大するよう変更したところ、解答時間を不正に2倍に増やせる“抜け道”が発覚、関係者の頭を悩ませている。複数科目の問題が1冊の冊子となって出題されるため、2科目受験で申請すれば2科目分の試験時間を「本命」の1科目に割り当てることができてしまうからだ。文部科学省も試験の公平性を問題視し、受験業界からは「試験方式の見直しが必要」との声が上がっている。

 これまでは地理歴史の「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」と公民の「現代社会」「倫理」「政治・経済」の中からそれぞれ各1科目を選択。理科も同様で「理科総合A、化学I」「理科総合B、生物I」「物理I、地学I」の3グループから各1科目を選ぶ方式だった。

 来年は、世界史Aと同Bなど同一分野の受験は不可とした上で地歴・公民の計10科目(新たに「倫理、政治・経済」が追加)から2科目を選択できるよう変更された。理科もグループ分けをやめ、計6科目から2科目を選べるようになる。受験生に選択の幅を広げたのが特徴だ。

 1科目だけ受ける場合の試験時間は60分、2科目なら130分だが、1科目目の答案用紙を回収後、2科目目の答案用紙を配布する。

 だが、試験が始まってから科目を選択できるように問題を1冊の冊子にしたため、1科目目を受験した段階で2科目目の問題を見て2時間解答に充てられる。

 例えば、日本史Aのみ受験に必要な生徒の場合、1科目目に世界史A、2科目目に日本史Aを選択し、1科目目の時間から日本史Aの問題を解き始めることも可能。はじめの世界史Aが白紙答案でも、受験大学の採点対象になってなければ、合否には影響しない。

 大学入試センターでは「そうしたやり方を本当に受験生がやったら不正だ」としながらも、「不正が可能な制度であることは間違いないが、試験の実施方法の変更は考えていない」。合否判定に1科目の成績しか利用しない大学にも2科目の成績と受験した科目の順番を提供する対策を取る方針だ。

 ただ、大手予備校の担当者は「大学側がその結果だけから不正の有無を判断するのは難しい」と指摘。「不正行為が多発すると、本命でない科目で低得点が続出し、平均点のぶれが大きくなる。得点調整が行われれば、すべての受験生に影響が出ることになる。不正がおきない仕組み変更が必要だ」と訴える。

 同センターは「試験の際に不正を行わないように徹底し、不正があった場合は受験を無効にする」としているが文科省は「1科目選択の大学の場合は、(不正ができない)1科目目を採点するなど、防止策を入試センターと大学側で協議してほしい」としている。
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2011年06月08日

<教員採用試験>京大、慶大の入試問題と酷似…06年三重県

毎日新聞 6月8日(水)2時31分配信

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慶応大学の入試問題に酷似している三重県の教員採用試験の問題

 三重県教委が06年7月に実施した教員採用試験の筆記試験の設問が、京都大と慶応大の過去の入試問題と酷似していたことが毎日新聞の取材で分かった。県教委は「過去に出題された設問を参考にした結果、似ているが、設問は独自に作成し、問題はない」と釈明している。

 酷似していたのは「高校理科」。化学物質の構造に関する設問が99年に慶応大理工学部で実施された入試と、気体の圧力に関する設問が95年京都大学の理・工・医・薬・農学部後期日程入試と酷似していた。

 例えば京都大学の設問の書き出し「図1に示すように、ピストン付きの円筒容器Aと容器Bが連結されており、間にバルブQが付いている」は、教員試験では「図1」が「図」に、「付いている」がひらがなになっているだけで後は同じ。容器の体積など数値も全て同じだった。

 慶大の設問も問題文が酷似しているうえ、穴埋めを求める位置も一致。しかし、途中で問題文を省略したため、つじつまが合わなくなり、解答不能の問題になっていた。受験者から「正答がない」と指摘を受けた県教委は07年7月に謝罪。慶大の設問と酷似していることも把握したが「採用に影響がなく、試験の設問としては適切」として公表しなかった。

 さらに受験者から「似ている」との指摘も受け、県教委は08年の採用試験から、設問作成者に対して、参考にした過去の設問を提出するよう指導していたという。県教委人材政策室は「結果的に設問の骨格も肉付けも酷似している。問題はないが、より適切な設問を作成するための措置」と説明している。

 文部科学省教職員課は「過去の設問を引き写すという事例は聞いたことがなく信じがたいことだが、採用試験は各都道府県教委の裁量。文科省としては指導する立場にない」としている。【駒木智一】
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2011年06月07日

10代の失業率1割に迫る…9・8%

読売新聞 6月7日(火)10時35分配信

 政府は7日の閣議で、2011年版「子ども・若者白書」を決定した。若者の失業率は10代で10%に迫る高水準で推移し、不景気の影響で若者の厳しい雇用環境が続いている。

 10年の失業率は、15〜19歳で9・8%(前年比0・2ポイント増)、20〜24歳で9・1%(同0・1ポイント増)、25〜29歳は前年と同様の7・1%だった。いずれも、全年齢計の5・1%を上回った。15〜34歳のフリーターの人数も前年比5万人増の183万人に上り、2年連続で増加した。

 0〜29歳の子ども・若者人口は3723万2000人で、総人口に占める割合は前年比0・3ポイント減の29・1%だった。
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2011年06月06日

「ゆとり教育」の見直しに合わせて復刻された昭和50年代の数学教科書

2011.6.6 08:58 産経ニュース

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昭和の数学力めざせ 「ゆとり以前」教科書を復刻、教師に人気

 子供の学力低下を招いたと批判される「ゆとり教育」。その脱却を目指し、来年度から中学校で実施される新学習指導要領を前に、ゆとり以前の昭和50年代前半の数学教科書が復刻され、現場の研究用教材として人気だ。3千セット発行されこの手の教材としては好調な売れ行きで、出版社にも問い合わせが相次いでいるという。(横山由紀子)

 復刻された教科書は、啓林館(大阪市)の「新訂数学」で53年から55年に使用された。昭和の高い数学力を支えた教科書のひとつで、「集合の概念」をはじめ、「不等式」「二次方程式の解の公式」など現在は高校で教える内容を収録しているのが大きな特徴。

 数学者の岡本和夫・東大名誉教授は「『新訂数学』は数学教育を構築した教科書といってもいい」と評価する。同社の統合企画部小・中企画課の中嶋朋宏課長は「教育転換の節目に、これからの数学指導を担う若い先生方の研究用教材として復刻しました。現場の教員から多数の問い合わせがあり、ゆとり以前はここまで教えていたのかと、高い評価を頂いている」と説明する。

 私立の東京都市大学付属中学校(東京都)では現在、「ゆとり教科書」に独自に、今では高校の単元となった「集合の概念」や「二次方程式の解の公式」などを補完。同高校数学科の田口哲夫教諭は、「現在のゆとり教科書は不十分で、日本の子供たちは数学を面白いと思えなくなっている」と指摘。復刻された「新訂数学」については、「単元ごとの導入部分が分かりやすく説明されるなど、日本が高い数学力を誇った原点ともいえる良質の教科書。特に若い教員に読んでほしい」と評価する。

 ゆとり教育は、昭和50年代後半から段階的に進められ、平成14年度の完全学校週5日制にあわせて、授業時間を縮減し学習内容を平易にするなど、実質的にスタートした。

 しかし「ゆとり後」は、日本の学力の低下が顕著に。経済協力開発機構(OECD)が世界の15歳を対象に行う学習到達度調査では、12年にトップだった日本の数学が、10位(18年)、9位(21年)へと転落している。

 こうした状況を受け、20年告示の新学習指導要領では、ゆとり教育を全面的に見直し。検定に合格した中学の教科書全14科目131冊は、現行教科書と比較してページ数が平均24.5%増加。数学は、理科の45.2%増に次ぐ32.8%のボリューム増となっている。
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大学に個性的学部名増える 全入時代に生き残りをかける

産経新聞 6月6日(月)7時55分配信

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緊張した様子で試験開始を待つ受験生。なじみのない学部が増え、進路選びも複雑になっている=2月1日、大阪府吹田市の関西大学(山田哲司撮影)(写真:産経新聞)

 平成8年の調査開始以降、12年と並び過去最低となった今春の大学新卒者の就職率。厳しい就職状況が続く中、学生を送り出す大学にも変化が表れている。「社会で役に立たない」というイメージを持たれやすい「文学部」などの名称をやめ、資格を取りやすい「看護」「教育」などの名称や、はやりのキーワードを取り入れた学部が増えている。こうした個性的な学部名は、大学全入時代に生き残りをかける大学側の意気込みの表れでもある。(道丸摩耶)

 今年2月、大学の入試問題がインターネットに投稿された事件で、逮捕された予備校生の受験先の一つだったのが早大文化構想学部。大学名は知っていても、学部名になじみのない人も多かったに違いない。

 最近、こうした「聞いたことのない学部」が全国の大学で増えている。

 平成21、22年度の新設学部の一部をみても、「メディアプロデュース学部」「社会安全学部」「サービス創造学部」など聞いたことのない名称が並ぶ。従来の「文学部」「経済学部」などより細分化され、カタカナや、はやりのキーワードをつなげて横断的なイメージを持たせた名称が多い。

 こうした傾向を、「全国の大学の総定員より18歳の方が少ない少子化時代に、大学がどうやって受験生を集めるかを真剣に考え始めた結果」と分析するのは、『文学部がなくなる日』(主婦の友新書、820円)などの著作がある「早稲田塾SOHKEN(総合研究所)」の倉部史記(しき)主任研究員だ。

 倉部氏によると、「マネジメント」「グローバル」「コミュニケーション」など高校生にイメージしやすく、流行のキーワードを取り入れた学部が増えてきたという。

 学部名は、多様化する現代社会を象徴してもいる。

 「理系の大学でも、マーケティングを知らない技術者は世界に出られない。必要とされる学問の範囲が増えている」(倉部氏)

 世相を反映し、「IT社会」といわれ始めると「情報」を取り入れる学部が増加。看護師不足が叫ばれる昨今は、看護系の学部を新設する大学が多いという。

 倉部氏によると、学部新設の先駆けとなったのが、慶応大が平成2年に湘南藤沢キャンパス(SFC、神奈川県藤沢市)に開設した総合政策学部と環境情報学部。翌年には文部省(当時)の規制緩和で、文学士、理学士など29種に限定されていた「学士」の制限がなくなったことも学部新設の動きを加速させた。現在では、500種を超える学士があるという。

 だが、学部が増えて選択肢が広がり、悩む受験生は多い。また、厳しい就職状況を反映し、「就職に有利」との理由で学部を選ぶケースも増えている。

 同研究所の赤坂俊輔氏は「学部名が何かしてくれるわけではない。昔は偏差値が高いところを目指せば間違いなかったが、今は世の中の価値基準が多様化している。問われているのは自分で道を開こうという気概だ」と指摘する。AO入試(面接や論文などで合否を判断する方式)や推薦入試など試験方法も多様化する中、偏差値が高い学部がいいとは限らない。

 倉部氏は、「人生経験豊富な周囲の大人が、多様な価値観や豊富な知識を生かし、受験生の進路選びにかかわってほしい」とアドバイスしている。
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2011年06月05日

<池田小事件10年>公立小93%に通報システム 本紙調査

毎日新聞 6月5日(日)10時37分配信

 全国の公立小学校の約93%が防犯ブザーなど不審者の侵入に備えた通報システムを整備していることが、大阪教育大付属池田小乱入殺傷事件(01年6月8日)の発生10年を機に毎日新聞が実施した全国アンケートで分かった。また、暴漢に対抗する器具のうち「さすまた」(刺股)だけでも約90%が常備。防犯の専門家が「ポスト池田小」(付属池田小事件後)と呼ぶこの10年で、小学校の防御力が急激にアップしたことを裏付けた。【まとめ・熊谷豪】

 アンケートは5月、都道府県教委に実施し、東日本大震災に伴う庁舎移転で資料を取り出せなかった福島県を除く46都道府県が回答。データは09年9月から今年5月時点のもので、小学校数は計2万1695校だった。

 このうち32.3%に当たる7013校が防犯カメラ(監視カメラ)を設置。文部科学省が初めて調査した04年3月から2.6倍以上に増えていた。他の防犯機器では、侵入者を感知するセンサーが9045校(41.6%)、インターホンが1万1958校(55.1%)だった。

 警備員は2461校(11.3%)が配置。大阪府が67.2%(686校)と突出し、東京都36.5%(479校)、兵庫県32.8%(261校)が続いた。栃木、富山、岡山、愛媛、長崎、鹿児島の6県はゼロだった。

 不審者の侵入に備える防犯器具では、さすまたを1万9466校(89.7%)が常備し、催涙スプレーは5211校(24.0%)、ネット(網)は2876校(13.2%)。文科省統計では08年時点で95%の小学校が何らかの器具を備えていた。

 一方、付属池田小など国立小73校は04年の文科省調査時点で通報システム設置を、07年調査時点で警備員配置を完了している。

 同省は付属池田小事件をきっかけに各種防犯システム・器具の状況を調べるなどして整備を推奨。各自治体も学校の安全確保に力を入れたことが、急速な整備につながっているとみられる。
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